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ドイツの森の散歩道 

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憧れのマダムさんとロンドンで13年ぶりに再会

以前住んでいたイギリスへ旅行。
当時大変お世話になった日本人マダムさんと13年ぶりに再会、アフタヌーンティーをしました。


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ボランティアサークルで知り合った彼女。
当時既に高校生と大学生のお子さんがいらっしゃり、年代は一回り以上先輩ですが、何となーく波長が合い、サークル以外でも時々お茶をしたり、自宅を行き来する関係になりました。

新婚2年目、英語圏での海外生活。仕事にボランティアに町歩き、自分の生活に夢中でウキウキと飛び回っていました。

その後私は妊娠、出産。

それまでとはうって変わって、育児情報も産後に対する常識も違いストレスがたまる中での孤独な育児。「床上げ」なんて言葉もなく、フラフラでも散歩をしろとけしかけられる、母乳のためにギネスビールを飲めと助産婦に言われるイギリスです(苦笑)。
母の手助けじゃなくてもいい、せめて日本的な常識や感情を分かち合うような、大人とのマトモな会話がちょっとできればどれほど救われるか…

発狂寸前だった産後1ヶ月ほどのある日、マダムさんは「お雛祭りよ」と、蓋つきの塗りのお弁当箱にチラシ寿司と日本のおかずをぎっしり詰めて、差し入れに来てくれました。
マダムさんが赤ちゃんを抱っこしてくれている間、半泣きでかきこんだ和食。

その時、初めて他人に海外生活の弱音を吐きました。
親は自分が国際結婚をして海外に行くのに何も文句を言わず送り出してくれた。今、一人で赤ちゃんを育てて、自分がどれだけ自分のことしか考えていなかったか初めて痛感し、親に対して心底申し訳ない… と。

マダムさんは、うんうん、と話を聞いてくれ、その後手紙をくれました。
「ミドリさんの気持ちは痛いほどよくわかります」
「イギリスで私が辛かったのは、ちょっと生活から抜け出たいっていうときに、実家とか昔からの友達とか、行くところがどこにもなかったこと」

その後、2年ほどして私がドイツに移住することに。

最後に会ったとき、彼女は
「ミドリさん、家出したくなったら、日本は遠いけど、いつでも家に泊まりにきてね。理由は聞かないから(笑)!」

よし、何かあったら家出はイギリス… と密かに心の支えにしてきました(笑)

幸い、家出ではなく、家族での観光旅行で再びロンドンの地を訪れて彼女と再会することができました。
当時は子育てが辛くて辛くて「いっそこのまま過労死できれば…」という思いすら胸をよぎったのに、子供無しで優雅にホテルお茶をするまで、過ぎればあっという間でした。

おそらく、今の私は、当時私が甘えていたマダムさんと同じくらいの年齢。
「私も年を重ねたら彼女のように若い人を助けられるようになりたい…」と思っています。





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by midori-de | 2019-10-20 19:01 | 海外子育て