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ドイツの森の散歩道 

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子供時代の夏休みから、40年後のパリでの再会  

夫の実家はド・田舎。山と川、打ち捨てられた古城と連なる畑、自然だけはたーっぷりとあります。

夫がちびっこだった頃、家族で近くの渓谷に遊びに行った時、フランスから避暑に来ていて知り合った家族と40年以上の時を経て再会しました。

当時、夫は5−6歳、相手は同じ年頃の男の子パトリック。ちょうどよい遊び相手になったのでしょう。
しかし、親同士は英語ができず、向こうはフランス語、こちらはドイツ語で身振り手振りのコミュニケーション。
それでも何故だかお互い気に入ったらしく連絡先を交換し合い、その後何年か、夏休みのたびに彼らはドイツを訪れ、何日間か川遊びやハイキングを一緒に楽しみ、パトリック君だけ夫の部屋でお泊まりをしたことも何度かあったとか。


子供時代の夏休みから、40年後のパリでの再会  _c0366006_00071922.jpeg
パリではなく…近所の公園


子供たちが大きくなり、いつしか夏の滞在は無くなりましたが、親同士は律儀にクリスマスカードの交換だけは続けていたそうです。
それが昨年、パトリックからお父さんが亡くなったとカードがきて、主人の母親がお悔やみ電話をしたことから交流が復活。
パリ在住のパトリックは今は流暢にドイツ語を話し、理系で成績優秀な娘さんはドイツの工科大学に留学中。ということで話が弾み、私たちがパリに遊びに行く際に会うことになりました。

凱旋門近くの大通りに面した大きなドアを押して入ると、表の建物から隔てられた素敵な中庭があり、その向こう側のオスマンスタイルのアパルトマン。岸恵子か中村江里子が出て来そうな様相です。
私にとってはアカの他人ですが、いつも観光客として外側から「どんな人が暮らしているのかしら〜」と見上げていた立派な建物に入れるなんて「パリのお宅訪問」気分でテンション上がります。
一方夫にとっては(相手にとっても)子供の頃に親しい交流があったと言っても、何十年も時を経れば、なんだか違うな、噛み合わないな、となる可能性も十分あり得ます。けれど、とーっても自然で気詰まりな感じも一切ない、素敵な時間でした。

アンティークの家具と、旅行先の思い出の品がところどころに控えめに置かれ、夫の出身地の街で親が買い求めたという「ビアマグ」も大切に持っていてくれていたのか、飾ってありました。
ブランチに招かれたのですが、テーブルに出してくれた「ルノートル」のミニクロワッサンやチョコクロワッサンが美味しくて「これ、すっごく美味しいですね」とパクパク食べていたら、袋いっぱいにお土産としてくださいました…(パリでもルノートルがおもてなしなのね、お土産なんかくれちゃうのね、とそんなポイントが印象的だった私です 笑)。

子供時代の夏休みの交流が何十年もの時を経て、それぞれの家族と共にパリでブランチをしている…なんて光景は、その場の全員にとって想像もしなかった場面でしょう。義母も写真を見てとても喜んでいました。
旅行先での出会いなぞ、ほとんどの場合はその時だけ「楽しかったね、面白かったね」で終わるものだと思いますが、こんな再会もあるのですね。

ここ数年、私にとっても懐かしい再会や、昔なんの気もなしに経験したことが仕事や生活に再び繋がったりして、不思議だったり人生の思わぬプレゼントだなあとありがたく感じるようなことが増えています。
今の普通の毎日も、未来の素敵な場面に繋がっているのかもしれませんね。

 

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by midori-de | 2017-06-11 00:13 | ドイツ生活