日本語クラスでひらがなを導入するとき、生徒さんが戸惑うことがあります。
この写真で何が問題か、わかりますか?
「き」という字。
三画目から四画目にいくところが、繋がっているフォントと繋がっていないフォントが存在するのです。
日本人としては気付かずスルーしてしまうところですが、これ、日本語学習者には全く別物の字に見えるのですよね。
私が教室で書いて見せるときは、右側のカードの「き」。日本の子供たちも書くときは繋がっていない「き」ですよね。
でも、日本語の教科書で繋がったバージョンのフォントが使われていると、必ず生徒さんから「これも『き』なの? 『き』に見えない!」という言葉が飛んできます。
ちなみに左側、着物の女の子の写真があるのは、ドイツで最近、割と人気の教科書。
右側は「くもん」のひらがなカード。中央は英語圏の学習者に人気のひらがなカード。
下は、何年もロングセラーの教科書のひらがな一覧表です。
「き」だけでなく、「さ」も然り。そして「そ」も、最初の部分が短い直線のフォントと、点から2画目に繋がるフォントがあり、生徒を戸惑わせています。
2パターンあると説明すればわかってはもらえるのですが、せめて初心者向けの教科書は、くもんカードのような正式な(?)字体を使って欲しいです。